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Happy Birthday
こんばんは!担当します、篠崎です。

正直、今回ほどブログの順番が回ってくるのが憂鬱だったことはありません。
レベルの高さに、恐れおののきまくりでした。
みんなの文章力と想像力にはホントに脱帽です…

さてさて、まあ、結局は書かなくてはいけないので、
鎌田くんから回ってきた写真を眺めていたのですが、
いやあ、フチ子ちゃん可愛いですね!

ちなみに、知らない方のために紹介しておくと、
彼女は、「コップのフチ子」という、奇譚クラブから発売された
タナカカツキ原案によるOL風の女性「フチ子」が
コップに腰をかけたりぶら下がる姿勢をとるフィギュアの
トイカプセル(つまりガチャガチャ)シリーズ(wikipedia参照)です。

よくTwitterとかに画像があがったりしてますよね!

そんなフチ子ちゃんをどこに登場させようか悩みに悩みながら書いてみました。
長くなってしまいましたが、読んでみてください…!





今日という日を、私は二十歳の頃からあれこれ予想し、楽しみにし、同時に恐れていた。
今日は、私の30歳の誕生日なのだ。

いつも通り満員電車に乗って会社に向かう。始業の30分前について、ロッカーで制服に着替える。
私は大手でも、かといって中小企業でもない、電子部品メーカーで働いている。
正直、何を作っているのか私はあまりよく知らない。私が毎日目にするのは、精算しなければならない領収書や、それをまとめた書類の束ばかりだからだ。

友達からは、先週の金曜日に祝ってもらった。誕生日のお祝いは必ず集まるのが大学生の時からの決まりなのだ。
私は一昨年くらいから、この会が、というか友人に会うのが憂鬱になっていた。
商社の営業として海外を飛び回っていたり、年下の男の子をとっかえひっかえ遊んでいたり、毎週趣味のイベントに出掛けていたり、結婚して子育てに奔走していたりする彼女たちは、口ではああだこうだと言いながら、みな忙しそうで、楽しそうだった。
みんな同じような学生生活を送っていたはずなのに、今の彼女たちのまぶしい話を聞くと、泣きたいような、でも涙は出ないような、もやもやした気持ちになった。

ボーイフレンドは、いる。
大学の同級生のユウスケ、前の上司のカワカミさん、美容師のケンくん。
彼らはときどき自分の都合のいい時に私を誘って、一緒にごはんを食べ、私の部屋に泊まっていく。
居心地は悪くない。でも、なんていうか、どの関係も、決定的なものではなかった。


時計が12時を指して、お昼休みになった。私は自分の席でお弁当を1人で食べる。
明日は土曜日だから、洗濯機を回さなきゃな、と考えながら、卵焼きをぼんやり口に運んでいると、「先輩って、フチ子さんに似てますよね」と声がした。

気づけば隣の課の後輩が、ローラーのついた椅子に座ったまま私の右側に移動してきていた。私より4つ下の彼女は、私のデスクのファイル入れにぼんやりした顔で腰かけている“コップのフチ子”という名称がついた、小さなフィギュアを眺めていた。

DSC_0859.jpg

「はあ」と曖昧に答えると、「見た目が似てるっていうのもあるけど、なんか、こう、しがみついている感じ?いじらしいっていうのかなあ、健気な感じの可愛さですよねー」
彼女の綺麗にネイルされた指を見ながら、「はあ」と、また締まりのない返事をすると、彼女は私の顔を見て「うん、やっぱり似てる」と一人で頷き、ローラーの椅子ごと自分の席に帰っていった。

フチ子さんは、先週、友達からディオールのコスメセットと共にもらったものだった。
「みんなでプレゼント買いに行った帰りに見つけたのおー!ガチャガチャなんて久しぶりで、なんか可愛かったからあげようと思って!」と渡されたまま、月曜日に出社した時バッグに入れっぱなしだったことに気づき、特に思い入れもなく飾ってみたのだった。
実は後輩にかなり失礼なことを言われたんじゃないかと気づいたのは、昼休みが終わる直前、化粧室で歯を磨いているときだった。


定時きっかりに退社し、私はその足でデパートに向かった。
食品売り場で買い物をした後、ケーキを慎重に2つ選んだ。
「プレートはお付けしますか」と笑顔の店員さんに、「はい、あ、でも名前は書かなくていいです」と注文し、ケーキを受け取った。
駅に向かって歩いていると、ゲームセンターの前のガチャガチャが目に入った。その中にはフチ子さんのシリーズもあった。私はそれを横目で確認し、一旦通り過ぎたが、またカツカツと戻り、200円を入れてガチャガチャを回し、出てきたカプセルをケーキの袋につっこんで、アパートに帰りそのまま冷蔵庫にしまった。

魚のポワレとグリーンサラダ、ニョッキのグラタン。
家に帰ってから脇目も振らずに作った、いつもよりちょっと豪華な食事を時間をかけて食べ終えると、立ち上がって、冷蔵庫からケーキの箱を取り出した。
ラズベリーのタルトと、ザッハトルテ。カップルで食べる用に見えるよう、慎重に選んだ2つの美しいケーキ。

振りかけられた金粉にライトが当たってキラキラする様子をしばらく見てから、同じ袋に入っていた、冷えて曇っているガチャガチャのカプセルに手を伸ばした。
ちっちゃな袋に入ったフィギュアを取り出すと、オフィスの制服姿で、下着が見えるくらい開脚し、フチに身を乗り出そうとしているフチ子さんが出てきた。私は、昼間、フチ子さんに似てると言った後輩の言葉を反芻した。

「しがみついている感じ、か。でも、わたしの下着なんて見て、喜ぶ人、誰もいないでしょ」
苦笑いしながらつぶやき、2つのケーキに視線を落とした。
Happy Birthdayの下が空白になったプレートを眺めていたら、なんだか急に胸の奥がきゅうっとなって、視界がぼやけ、涙がぽたりとテーブルに落ちた。

そうだ、私は30になったんだった。




…いかがだったでしょうか??
いや、難しいですね、物語を書くって!
改めて今までブログを更新してきたみんなを尊敬しました!

さて、次の写真はこれ!

1

みなさんよく知っている、あの場所です!
次の担当、西野くんがどんな物語を紡いでくれるのか楽しみにしています!




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2014/06/25 | 写真deリレー | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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