スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/-- | スポンサー広告 | コメント(-) | トラックバック(-) | page top↑
Summer Days
こんばんは、本日の担当の薄葉です。

台風8号、、みなさん大丈夫だったでしょうか?
予想よりはだいぶ勢力が弱かったみたいですけど、それでも被害にあった地域は結構ありますし、早く完全に日本を抜けてくれれば良いですね…!

さてさて、本題ですが、橋本さんから頂いた写真、なんとも不思議な、そして良い写真ですね。しかしひたすら感心していてもしょうがないので、なんとか考えてみました。
では、始めます。




今年の夏はいつもと違う、そうなる気がした。
中学3年の1学期終業式の後、僕はいつもの3人と教室の席に座りながら、この3ヵ月半のことを懐かしんでいた。
後ろの席の健司が言った。
「明日から夏休みかーおまえらに会えなくて寂しいな。」

「そうだねー1学期すっごく楽しかったもんねー、ね、あかり!」 莉莎子があかりに問いかけた。

「うん!健司君や勇太君、そして莉莎子と席が近くて本当に良かった。これから1ヵ月以上もみんなに会えないなんて、なんだか寂しい。」 長く、真っ直ぐに伸びた綺麗な黒髪をなびかせながら、あかりは答えた。

「あ、そうだ。町の北側に山があるだろ、俺この前そこらへんを自転車で走っていたら、ちょっと面白そうな建物を見つけたんだ!そこを俺らだけの秘密基地にして集まるってのはどう?」 健司が提案した。

「秘密基地って、、人いないの?」 僕は健司に聞いた。

「おう!昼間でもすっげー暗くて、あれは完全に空き家だな。」 健司が答えた。

「面白そう!じゃあこの後みんなでちょっと行ってみようよ!ね、あかり!」 莉莎子は再びあかりに顔を向けた。

「行こう行こう!なんだかわくわくするね!勇太君も行くよね?」

僕はあかりの真っ直ぐな瞳に見つめられ、一瞬ドキリとしながらも、
「うん、みんな行くなら僕も賛成。」と頷いた。

僕は、誰の所有しているか分からない建物を勝手にたまり場にするなんて大丈夫なのかと内心思いながらも、やはり同じくわくわくしていた。
こうして僕らの中学生活最後の夏休みは始まった。


秘密基地(中3にもなって秘密基地って言うのもちょっと恥ずかしいけど)には週3くらいで集まった。
建物は4階建てで、正面から見て2、3階の窓の部分には、赤い色で装飾がされていて、1階部分は何かの店舗のようになっていた。
建物全体の様子はなんだか異国風な感じがした。
ゼミブログ 写真

莉莎子が言ってたように、秘密基地にするにはもってこいだなと思った。
以前誰かが住んでいたであろう形跡はあったけど、特に汚れていたり荒らされているということはなく、僕らは満場一致でここを秘密基地にしようと決めた。
みな思い思いのものを秘密基地に持ち込んだ。
漫画や雑誌や携帯ゲーム機はもちろん、お菓子や勉強道具(一応全員受験生なので、、)、さらに健司にいたってはハンモックなんて持ってきて、器用に壁から吊るしてよく寝ていた。
夏ではあるものの、中はとても涼しく、居心地が良かった。
それにみんな電池式の大き目のライトを持ってきていたので、特に不自由はなかった。
僕らは心ゆくまで話したり、時には夜まで居残り怖い話大会なんてのもやったりした。
僕はこの生活が本当に好きだった。夏休みに、自分たちだけの空間で好きなだけ過ごせるのはもちろんだけど、、、なによりもあかりと一緒にいれることが嬉しかった。
なぜなら僕はあかりのことが好きだったからだ。


僕はあかりと、そして健司と莉莎子、この3人と昔から友達だったわけではない。
僕はどちらかというと控えめで、友達もそこまで多くはなかった。
それに僕は中2の後半、不登校だった。理由はいじめ。きっかけはほんの些細なことだった。
テストで良い点取ったことを先生に褒められたのが嬉しくて、クラスメイトたちの前でちょっとだけ天狗になった。
それからはまあ、、、あんまり思い出したくはない。
先生の説得や受験、それにクラス替えということもあり、なんとか3年からは学校に行くことにした。
その初日、まだ周りの視線を気にしたり緊張ということもあり、僕は教室の席に座ってもずっと下を向いていた。
きっと誰も僕のことなんて、受け入れてくれないんだろう。そう思っていた。
しかし、違った。
それが、僕の隣の席に座ったあかりだった。
僕が不登校だったことを知ってか知らずか、あかりはとにかくたくさん僕に話しかけてくれた。
そのうちあかりの親友の莉莎子、僕の後ろの席の健司ともよく話すようになった。
あかりのおかげで僕は毎日が楽しいと感じるようになった。
初めはあかりに対して感謝の気持ちが大きかったけれど、一緒に過ごして彼女のことを知っていく中で、段々と僕は彼女に惹かれていった。もちろん告白しようなんて大それたことは考えてなかったけど。


そんなこんなで夏休みも半分過ぎたある日、僕らにとって決定的な出来事が起こった。
いつものように秘密基地に集まりだらっとしている中で、なんだかあかりの様子がいつもと違っていて、変にそわそわしていた。
そして意を決したように、あかりは僕らに言った。

「みんな、今日はとっても大事なお話があるの。実は私、お父さんの仕事の都合で引っ越すことになったの…。もう学校には伝えてあって、2学期からは別の県の学校に通うことになったの…。」

え、、、!?

僕ら3人はみな同じ反応で、動揺を隠せなかった。

「い、いつなの引っ越し!?」 莉莎子がハッとしたようにあかりに聞いた。

「実は、もう明日なの…。引っ越すことは前から決まってたの。だけど、みんなのことが大好きで、だから辛くて…ずっと言い出せなかったの…。ごめんね…。」
そう言いながら、あかりは両手で顔を覆った。

僕と健司は俯き、あかりの静かな嗚咽だけが秘密基地に響いていた。
グッとこらえていた莉莎子も、遂には泣き出してしまった。みんな本当に、本当に悲しかった。

それでも、僕らは最後は笑ってあかりを送り出そうと決めた。ちょうど今日は地元の花火大会があり、最後にみんなで秘密基地の屋上から観ようということになった。
秘密基地の4階には、天井に扉があり、そこから屋上部分に出られるようになっていた。
やがて時間になり、僕らは屋上に上がった。


ひゅーーードドドドドン、パンパンパンパン、パチパチパチパチ、、、ひゅーーー

何十、何百発の色鮮やかな花火が打ち上げられ、遠くの方からはかすかに人々の歓声も聞こえた。本当に綺麗だった。
あかりはじっと、それでも次々に打ち上がる花火に目を輝かせていた。
ちらっと見た時の彼女の横顔は、本当に綺麗だった。
健司は少し離れたところで 「たまやーー!!かぎやーー!!」 と叫んでおり、それを見て莉莎子は面白がっている。
気持ちを伝えるなら今しかない、僕はそう思った。
迷惑かもしれない、それでも、付き合うとか付き合わないとかそういうのは関係なく、最後に自分の気持ちを知っててもらいたいと思った。

「すっごく綺麗だったね」 あかりが言った。
「うん、すごく綺麗だった。あのさあかり、ずっと言いたいことがあって、、僕、、、あかりのことが、好」

ぴゅーーーーードドドドドドドドドドドン!!!


「すごーい!!!あ、勇太君最後何か言いかけた、、?」
「あ、、ん、うん大丈夫何でもない、、、。」
「またいつか絶対この4人で観ようね。約束だよ。」
「うん、そうだね、、、約束する。」

全発打ち上げ終わったら伝えようと思っていたのに、まだ終わっていなかった。僕は伝えることが出来なかった。

そして花火大会は終わり、やっぱり最後は莉莎子、そしてあかりも泣き出してしまい、ふたりしてわんわんと泣いていた。
僕と健司もそれを見て目頭がじんわりと熱くなったけど、グッとこらえ、僕らはまた必ず会うことを約束して、笑ってあかりを見送った。



あれから2週間経った。あかりが引っ越した後も僕らは秘密基地に集まったけど、なんとなく盛り上がらず、ここ1週間はほとんど来ていなかった。
そして遂に今日で夏休みも終了し、明日から2学期が始まる。
僕ら3年生は本格的に受験勉強に打ち込まなくてはならない。
そうなる前に、僕はもう一度秘密基地を見ておきたいと思い、ひとりでやって来た。
ここでの生活はもちろん、あの3人と過ごしたこれまでの日々は、僕にとって本当にかけがえのないものだった。
あかりに気持ちを伝えることは出来なかったけど、これで良かったのかもしれない。
正直な話、言っても結果は見えていたと思うし笑。
あかりは、不登校となり暗闇の中にいた僕を、明るく照らしてくれた。
僕を、暗闇から救い出してくれた。
彼女はもういないけど、僕はもう大丈夫だと思った。

僕は秘密基地に背を向けた。
強い風がびゅっと吹いてきた。
僕の身体はよろめいたけど、僕の心はよろめいてはいなかった。

なぜなら、彼女が僕に点けてくれたあかりは、どんなことがあっても消えることはないから。





いかがだったでしょうか…?とにかく、僕の理想とする中学生活をありったけ想像して書いてみました笑。もう恥ずかしすぎるので、さっそく次の写真を紹介します。
こちらです。
写真 (1)
次回は高柳さんですね。
自分の写真から物語を作ってもらえるって本当にワクワクしますね。
それでは次回もお楽しみに!
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。
スポンサーサイト
2014/07/12 | 写真deリレー | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
コメントの投稿











管理者にだけ表示を許可する

| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。